元ボストン市警の警官メーガンは、ある事件をきっかけに退職し、トラウマを抱えながら薬に頼る生活を送っていた。知人の紹介で遺体安置所の夜勤として働き始めた彼女のもとに、悪魔祓いの最中に死亡した少女・ハンナ・グレイスの遺体が運ばれてくる。

その日を境に、安置所内では不可解な現象が多発。やがて、恐怖はメーガン自身を包み込み始める。

【タイトル】エンドレス・エクソシズム(原題:The Possession of Hannah Grace)
【監督】ディーデリク・ヴァン・ローイェン
【脚本】ブライアン・シーヴ
【俳優】
シェイ・ミッチェル(メーガン・リード)
スタナ・カティック(リサ・ロバーツ)
グレイ・デイモン(アンドリュー・カーツ)
カービィ・ジョンソン (ハンナ・グレイス)

【公開】2018年
【時間】86分
【国】アメリカ
【ジャンル】ホラー

【点数】3

5 … 人に紹介できる面白さが解る映画
4 … 感性の違いはあるかもしれないが面白い映画
3 … 時間の無駄とは感じなかった映画
2 … 最後まで見ることができないこともある映画
1 … 紹介してきた人を殴りたくな

 

感想・レビュー(ネタバレあり)

冒頭から登場するのは、半身が焼け焦げ、腰に大きな切り傷を負った少女の遺体。ホラー作品らしく、薄暗く不気味な空間の中で、説明のつかない現象が静かに、そして次第に激しくなっていく構成はなかなか緊張感がある。

しかし残念な点もある。たとえば、職員のデイヴが何の前触れもなく、突然“超自然的な力”によってあっさりと殺されてしまうシーン。モブキャラだからといって安易に命を奪う演出は、恐怖の積み重ねを重視していた前半のトーンを壊してしまっているように感じた。

なにより気になったのは、同じようにひとりで行動していた主人公・メーガンが、それほど大きな被害を受けることもなく、最終的に生き延びてしまう点だ。もちろん「主人公だから死なない」という前提はあるが、同じ条件であれば同じようなリスクに晒されるべきではないか?と違和感を覚えてしまう。

また、恐怖を盛り上げるはずの演出が、時に“ただの水をかぶった人”のように見えてしまう場面もあり、緊張感がそがれてしまう瞬間があったのも残念だ。

まとめ

『エンドレス・エクソシズム』は、閉鎖された空間で静かに狂っていく恐怖や、悪魔が宿る遺体という設定が魅力的な一本。前半の雰囲気作りや構図には見応えがあるものの、後半の展開がやや雑に感じられる部分があり、ホラーとしての緊張感を維持しきれなかったのが惜しまれる。