【ネタばれ】

この映画のラストのネタバレです。

映画のラストとしてすべてが明かされる、チンに付いた双子の女の幽霊、飯屋の亭主であるヤウ、団地にすむ霊幻道士の爺さん、その他に登場人物のすべての事実が明らかになる。

チン・シュウホウが団地に着た日すぐ首吊自殺をしている。映画が始まって5分ほどでチンは死んでいることになる。呼吸も出来ず、死ぬまでに見た都合の良い幻走馬灯こそがこの映画だ。

チンが完全に死ぬまでに見た幻という脳の中の物語、チンの人生と自分の俳優としての絶頂期である霊幻道士を混ぜ合わされ、団地で見た人たちを取り込んだ幻を延々とみたことになる。

科学的には人間は肉体的に死んでも脳が少しの間生き続ける。ブタの脳を死後4時間後に一部再生することも成功している。ブタで出来るなら人でも同じように首吊によって肉体的な死んだヤンの脳が死ぬまでに見た幻と考えられる。

そう考えると最後の場面での遺体留置所の場面までチン・シュウホウの意識だけがあり、その間に見た妄想。

妻子に見捨てられたチンが越してきた部屋に前に住んでいた妻子のフォンとパクとの交流、俳優として霊幻道士で有名になり落ちぶれた今が、昔に霊幻道士だっあという定食屋の亭主のヤウたちはチンが失ったモノが形となって出てきたのかもしれない。

映画全体がチンの走馬灯の映画と考えると東京国際映画祭では「リゴル・モルティス/死後硬直」はあまりにも直接的なタイトルだなと思えるので「キョンシー」というタイトル変わったのかな。