映画『レゴムービー 』

コメディ映画というかパロディ映画で面白く面白く料理しています。そして面白いほうから映画は感動へとシフトすることで作品を幅を広げられている。これによって見た人の感情のふり幅が広いためにレゴムービーがとても面白い作品に思えるような構造になっている。

早い話、いい映画なので見ることをお勧めする。

レゴが動く、レゴが歌う、レゴを組み立てる。

そんなレゴ好きもそうでない人にも楽しめるLEGOムービー

ブロックシティの住民たち

毎日毎日、マニュアル通りに起き、挨拶をし歌い仕事をする。

窓を開けて大きな声でおはようと叫んで、決まったようにコーヒーを買って仕事場に行き、仕事は前に作った街を破壊して新しい街を作る。

そして仕事の最後に作った街はやっぱり破壊して終わる。

そんな生活を続け作業員のエメットは仕事終わりに怪しいフードをかぶった人物に声をかけようとすると穴に落ちてしまう。

穴の下で不思議なものを見つけて気づくと警察に捕まり処分されそうなところをフードをかぶった女の子ワイルドガールに助けられる。

どこにでもいる作業員のエメットはそのままマスタービルダーと勘違いされそのままブロックシティの外へと逃げることになる。

【タイトル】LEGO(R)ムービー (レゴムービー)

【監督】
フィル・ロード
クリストファー・ミラー

【脚本】
フィル・ロード
クリストファー・ミラー

【制作国】 アメリカ合衆国/オーストラリア/デンマーク
【配給】 ワーナー・ブラザース

【制作年】 2014年
【時間】 100分

【あらすじ】

あのレゴ(R)ブロックの世界が、映画になった! !
フツーのボクが、世界を救う! ?
家族みんなで楽しめる 最高のアドベンチャームービー! !

ちっちゃな手で、でっかい夢を守り抜け!
世界一カラフルなLEGO(R)ムービーの世界へようこそ!
エメットは、どこにでもいるフツーの青年。なのに、なぜか伝説のヒーローに間違われ、レゴ(R)ワールドを支配するおしごと大王から、
世界を救わなければならないハメに! でも、本人はヒーローの覚悟なんてゼロ。世界の終わりまであと3日…。
どうするエメット、どうなるレゴ(R)ワールド──! ?
ブロックさえあれば、どんなものでも作り出せる! それがレゴ(R)ワールド。
高層ビルが建ち並ぶ大都市、最新型の飛行機や蒸気機関車、山々がそびえ立つ大自然から宇宙まで、どんな夢だって、自分の手で実現可能だ。
そんな世界に、大興奮のシークレットキャラが次々と登場、大騒動を繰り広げる。
さあ、飛び出そう!

Amazonより引用

【PV】

レゴブロックで遊んだことがない人も一度はテレビのCMで見たことがあると思うレゴブロックの映画作品。

主人公であり、レゴでよくある作業員の人形のエメットが選べれしものと勘違いされて世界を救う羽目になる。

ほかに登場するレゴのミニフィギュアはワンダーウーマンやバットマン、80年代宇宙飛行士、人形を見てもみわけのつかないガンダルフとダンブルドアあど多くのミニフィギュア登場する。

歴代のレゴのキャラクターが数多く登場する映画である。

この映画には子供向け作品だからこそ作品内にオマージュやシュールなギャグを子供向けだからいいよねと好き放題投入している。

オマージュやシュールなギャグのネタが分かるのは確実に大人だけなのだけれども・・・

ストーリーが進んでいくとレゴブロックの世界だけじゃなく、人間の世界の話も出てくる。この二つの世界は大きな関係がある。

それはレゴとはレゴをどう使うのかについての大人と子供の考え方の違いなんだ。これ以上はネタバレになるので置いておいて

秘密兵器のスパボンや拷問に使われそうなバンソウーコー、ゴルフボールといったものが出てきてレゴの世界を破壊する。

スパボンはスパとボンを分けて考えると分かる人もいるかもしれない。

エメットの作業員というミニフィギュアはレゴのシリーズの中でも多く存在するので仲間たちからはエメットの存在をいてもいなくてもいい存在、いたのかもわからない個性のない存在という扱いである。作業員のミニフィギュアはレゴシリーズには当たり前のように出てくる人形なのだ。

作業員が世界を救う主人公として活躍する理由は人間の世界の小さき存在と大いなる存在の正体が分かることでわかってくる。
世界を終わらせようとするおしごと大王とエメット、大きい存在と小さい存在の対比、ストーリーが進むと段々と分かってくるので作品が一気に広がりを見せてくるのでぜひ見てほしい。

見どころは、レゴだからこそできるアクションシーンのレゴブロックの玩具の変形だ。

空飛ぶヒコーキが車に変形したりバイクにチェンジしたりと想像力豊かに変身するは見ていてスゲー思う。

レゴブロックを使った子供が楽しめるコメディ映画LEGOムービー、大人が見るとブラックユーモアやオマージュを楽しめる最高の作品だ。

OPからの歌を歌いつづけて街の完成から破壊までは最高の見どころだ。

とここまで、うだうだ書いたがここからはネタバレで

まずは重要な登場人物を再確認しておこう

エメット
ワイルドガール
おしごと大王

大きな存在
小さな存在

この5人のさえ分かっていればOKだ。

先ほども書いたがレゴシリーズを買えばよく入っている作業員のエメットが何かの間違えでマスタービルダーと間違えられてしまいブロックシティから成り行きで外に出てしまう。

そう流されるままだ。彼はどこにでもいて自分では考えない建設現場の作業員のミニフィギュアである。ブロックから車も飛行機も作り出せない。2段ソファという役に立たないものしか作り出せない。

そんな彼が、おしごと大王と敵対するビルダーたちと共にいても何の役にも立たない。

どのシーンでも役立つシーンはほぼない。

彼がいなくても大体の事は解決したはずだ。

彼は小さき弱い存在なのだ。

敵であるおしごと大王はブロックシティの誰もが見る番組のプロデュースであり、みんなが朝飲むコーヒー屋のコーヒーの値段を決め、多忙の中で生きて世界を滅ぼすためにも仕事を行っているちょーーー有能な人物だ。

彼は自らの力で秘密兵器スパボンを手に入れ世界の終わりを導こうとしている。

おしごと大王は間違いなく大きく強い存在だ。

足にパーツをつけて背も高くなるね。

この映画中盤を過ぎたあたりで、エメットがみんなを救うために謎の渦の中に飲み込まれる。

その渦の先には、大きな存在と小さな存在がいる人間の世界に繋がっている。

大きな存在が大人であり、小さな存在が子供なのである。エメットの今までの出来事は子供がレゴブロックで遊びの中で作られた空想のストーリーだった。

子供がレゴで遊んでい時にレゴブロックの持ち主である大人がその場に訪れる子供にレゴを触っちゃいけないと注意する。

大人は子供にレゴは触っちゃいけない、入っちゃいけないとルールを決めて子供に言い聞かせている。

大人は子供がイメージのままに作ったレゴを分解し本来あるべき元に戻していく、二度と動かないようにボンドで固定していくのである。

大人がレゴを元に戻していくことに何もできない子供、まさにおしごと大王とエメットの関係である。

おしごと大王を止めることができないエメット、大人を止めることが出来ない子供の構図である。

この構図がレゴの世界を作っている。

直していくうちに大人は子供が自由に作ったレゴブロックの乗り物や建物を見て、子供にお前が作ったのかと聞いてくる。

自分の考えたレゴの世界を大人に話す、その話を聞いた大人は何を思うのか。

自分が子供の時に同じことをしたいと思ったのか、大人になった今でもマニュアル通りの建物や乗り物だけではなく自由に遊びたかったのか。

子供の創造性に気づいた大人は子供に自分のレゴで遊ぶことを許す。

二人の関係が変わることによっておしごと大王とエメットの関係が変わる。

作業員の名前のエメットであり、子供の名前もエメットであるのは子供の心がそのままレゴへと投影されている。大人であるおしごと大王がレゴの世界を終わらせるということは、ボンドでレゴを固めて動かないようにすることであり完全に遊び道具ではない状態にすることなんだ。

大人が子供の遊ぶことを許可したことでおしごと大王の目的を失い2人は分かりあえるのだ。

LEGOムービーを見ていると時間がたつにつれて、自由な発想で作られたレゴブロックの玩具が登場してくるのは子供がマニュアルから離れ自由な想像でレゴを組み立てるようになったからである。

最初は子供はエメットのようにマニュアル通りに建物を建てて壊すことを繰り返していたが、それが段々と自由に発想を始めることでLEGOムービーの世界が生まれエメットという何でもない作業員がヒーローへとなる物語が作られる。

作業員エメットがマニュアルに動くのは大人が決めたルールとレゴのマニュアルを意味していると考えられ、それを逸脱しることで新しい発想のレゴを作ることが出来たのではないだろうか。

この時代、レゴは経営が厳しい状態になりそれをレゴニンジャといったストーリーのある世界を作ることで乗り越えた。レゴは作るものであるということレゴを持っていれば誰もが持っている作業員というミニフィギュアを主人公にすることですべてのミニフィギュアにストーリーがあるという世界観を打ち出したかったのかもしれない。