日本ではここ数年ハロウィンで大盛り上がりになっているところ、本来のハロウィンを見直そうとホラー映画を探して見つけたのがニコラス・ケイジ主演の映画

まぁ、映画の内容は本来のハロウィンとは関係ないのだけど・・・

映画『ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄』

マイクはハロウィンの夜に息子のチャーリーとともに街のハロウィンのお祭りにするのだが、息子が「幽霊に借りを払え」いう言葉を残して行方不明になる。
警察に届けを出すと、刑事はこういった事件24時間で解決するといわれるがチャーリーは見つからず、1年後マイクと妻のクリスティンはチャーリーのことから別居するほどに関係が悪化していた。

1年が経ち、チャーリーが行方不明になったハロウィンの日が近づいてくる中、マイクは今もチャーリーを探し続けていた。そんな中、街中でチャーリーの幻覚を見るようになる。

幻影に誘われるようにたどり着いた廃墟の壁に「幽霊に借りを払え」とチャーリーが最後に言った言葉が書かれていたのであった。

というところで感想です。

【 作品の評価 】3/5

【公開】2015年

【 感想 】

ラストの追い込み以外は悪くはないが、ラストは駆け足でまとめていくのは少し物足りない。考えるとよくあるB級のアメリカのホラーのように脅かすシーンをひたすら畳みかける流れで終わるよりは良いのかもしれない。

もちろん映画の中で不穏な空気や一瞬だけ現れる死神のような存在であったりと多くの怖い存在が見え隠れするのは悪くはない。

演出としてマイクがチャーリーを失い、柱にもたれかかるシーンで柱の左右の部屋を使って明暗を見せて心の変化を表現したり、マイクが大学での講義の際にチャーリーを失う前と後での講義への熱量の違いなど、1つ1つの演出や俳優の演技はさすがはニコラス・ケイジと納得できるものである。

マイクは自身の調査でニューヨークでの行方不明の子供がハロウィンとほかの日に行方不明になった子供に比べて倍以上行方不明の比率があり、ハロウィンの日見つかっていない子供は異常であることを解明して同じように子供が行方不明になった親に話を聞きに行く。

警察もまたチャーリーと同じ年に行方不明になった子供の両親に会いに行ったときの会話や子供が行方不明になった親の末路として薬中になっている人物や幻覚を見るようになったという話があり、行方不明になった子供の幻覚は1年だけ見ることを知るのである。

映画がマイクや妻のクリスティンが不思議なことが起きていることは認めつつも、いきなりオカルトへと話の舵を切るのではなく、自分たちと同じく行方不明の親に話を聞きに行くといった積み重ねの後、マイクは疑いつつも霊能力者を呼んでいるといった流れはホラー作品にありがちな飛躍もなく、小さなことの積み重ねの結果の選択であることが分かるようになっているのもよかった。

恐怖感の演出は映画『呪怨』に近く、突然現れるようなものが多いが少しづつ恐怖を感じさせるようなホラーの雰囲気を巨大な影やカメラのピントのぼかしで演出が多く、直接的な表現は霊能力者に対してだけで、アメリカ映画のホラー作品にしては犠牲者が少ない映画なので子供でも見ることができる作品だと思う。。

よかったシーンとして死体安置所で死体を解剖するシーンで少し離れた別の死体の足が映り込む視点が恐怖をうまく出していいる。

以降、ネタバレ

マイクはチャーリーの幻覚を見るようになり、クリスティンに不思議なことは起きていないかと会いに行くが、クリスティンは相手にしないのだが、ついにクリスティンにも不思議なことがおきるようになり2人は協力してチャーリーをさがすことにする。

その中、マイクはハロウィンだけ子供の行方不明が多いいことに気づき、その親を訪ねて聞いた証言で自分たちにおきていることに確信を持つ、そのことを警察に伝えるが相手にされず、行き詰まりのなか霊能力者に依頼をするが、目には見えない不思議な存在が霊能力者を殺してしまう。

恐怖を感じつつも、チャーリーのために調査を続ける2人

チャーリーはクリスティンを通してマイクに助けを求める言葉とクリスティンの腕にマークを残す。

マークを調べることで三百年前に殺されたアイルランド人の女性移民であるアニーという人物がいたこと、この地域にインフルエンザが流行ったときに原因として殺されたこと、そして死ぬ間際に残した言葉が「毎年3人の子供をさらう」としてこの地の人々に呪いを掛けたといわれていることを知る。

そうしてハロウィンの日に古い儀式を行う司祭に話の中でハロウィンの時だけ開く扉のことを知り、以前に行った廃墟にその扉があることに気づく。

廃墟に住んでいる盲目のホームレスの導きの元、チャーリーがいる異世界へと向かい、そこで300年間さらわれてきた子供たちに出会う。

マイクは、その中からチャーリーを見つけ出し、ほかにさらわれた2人の子供とともに現世に戻ろうとするが現世と異界をつなぐ橋ですべての原因であるアニーに邪魔をされる。

殺されそうになるマイクだがチャーリーが助けを求める声に300年の間さらわれていた子供たちがアニーに襲い掛かり、マイクとチャーリーたちは何とか現世に帰り、幸せを取り戻すのだった。

おわりに

作中で気になるのは、マイクが子供たちの前で異世界でチャーリーを呼び掛けると全員が手を挙げる中、死んでい子供たちはマイクがすり抜け、すり抜けなかった手がチャーリーだったのだが、マイクの呼びかけに全員が手をあげるということは全員が生きて帰りたいと思っているからではなく、子供たちはアニーに閉じ込められている状態から解放されたいと思っていたことがわかる。

マイクとチャーリーたちがアニーの隠れ家から出て逃げるときは隠れ家が光り輝くという演出がされているところやアニーに襲いかかるところから今までは魂が囚われていてそれが解放されたのだとわかる。

こういった細かいところまでしっかり細部まで作られているところはホラーとしては珍しいと思える作品。