1978年に作られた映画『ゾンビ』のリメイクである。
ゾンビ映画としてはかなりのシナリオがしっかりとしており、ストーリーで極端に破綻をしていない珍しいゾンビ映画である。
もちろん、ゾンビ映画らしく、撃てば必ず当たる拳銃に以上に寄って来るゾンビなど見ていてどうかなと思うシーンはある。
それでもショッピングモールに入り、時間がたつことにゾンビの存在に慣れてきて、モール内でDVDを見たり、ゾンビを撃ち殺すゲームを行ったりと人の心の変化も丁寧に演出しつつも観客のテンションが下がらないように音楽に合わせてダイジェストで演出されていく。
【タイトル】
ドーン・オブ・ザ・デッド(原題:Dawn of the Dead)
【監督】ザック・スナイダー
【脚本】ジェームズ・ガン
【制作国】アメリカ
【配給】ユニバーサル
【あらすじ】
看護婦のアナは一日の仕事を終え、愛する夫ルイスが待つ自宅へ。彼らが幸せな朝を迎えたそのとき、寝室には隣家の少女ヴィヴィアンの姿があった。それが本物の悪夢の始まりだった…。
【感想】(多少のネタバレがあります。)
舞台はアメリカ、突然ゾンビが襲ってくるという映画であり、何百何千と作られているゾンビが襲ってくる映画である。
元々は「ゾンビ」という映画があり、その作品のリメイクなのだが、リメイクにあたり最近では当たり前になっている走るゾンビに設定が変更されたサバイバルアクションになってしまっている。
そのため映画の演出として走るゾンビを使いたいのか、映画後半では走るゾンビが車に追いつき無限に湧いてくるようになってしまったためにB級映画となってしまっている。
映画の前半では看護師のアナが寝室でゾンビに襲われそれから逃げる途中に道路から車が逸れてしまい事故をするところで、音楽とともにダイジェストでゾンビに襲われるアメリカの状況が描かれており、アメリカ中の状況がわかる。
開始から10分でゾンビが町がめちゃくちゃにしてしまうために、まだまだあるのにこれからどうなるのか展開が気になるのである。
アナの旦那がゾンビにななって襲ってくる序盤のシーンで風呂場に逃げ込むアナ、それを襲いに来るゾンビ、逃げ込んで窓から逃げようと窓を開けようとするのだけれども、ロックされた窓をなんども開けようとする。
こういった細かい演出がされながも、旦那のゾンビがいる部屋からの反応がないのに気になって旦那に呼びかけつつ耳を扉にあてるとゾンビが突然、頭らか扉を突き破ってくる。
そのまま窓から逃げたアナが車で逃げると、ゾンビは追いかけてくるのだけれども途中で生存者を見つけるとそのままそちらへ向かっていくのだ。
風呂場に逃げるシーンではアナが扉に鍵をかけていないのに開けることが出来ずゾンビに知性が無くなっていることが分かり、アナがにげるシーンではゾンビは近くにいる生存者を襲うという細かな設定を見せているところなどがかなり作り込まれている。
ホラー映画として立派な作品として作り上げられているのに、最後の演出では走るゾンビをたくさん出して今まで積み上げた設定を壊してしまうのがあまりにも勿体ない作品だった。