日本の漫画が原作で韓国で映画化したオールド・ボーイ

1998年頃まで連載していたマンガである『漫画アクション』で連載されていた。かなりコアな雑誌なのでどうしても一般が知ることもなく終わるはずだった漫画が韓国で映画化され有名になる。

15年という長い時間何故、自分が監禁されていたのかの真実を探すミステリー映画ながらも作中で何度かあるアクションシーンを様々な角度からのカメラワークで演出しており、アクション映画としても十分に楽しめる。

この映画の影響で、2013年にアメリカでもリメイクされるほどの人気になった。

原作では日本での出来事として描かれるが映画は韓国映画なので舞台は韓国なっている。

大きく変わっているのは
・監禁が10年から15年になっている。
・監禁された理由を解き明かすまでに5日の出来事として話を短くまとめている。

【あらすじ】

作:土屋ガロン、画:嶺岸信明によるコミックスを映画化。ごく平凡な男がある日誘拐され、気が付くと狭い監禁部屋にいた。その後15年間監禁されつづけ、ある日突然解放される。一体誰が何の目的で…。第57回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した、チェ・ミンシク主演によるアクション・ムービー。

Amazonからの引用

【製作国】韓国
【日本での公開】2004年11月6日

【感想】

韓国と日本で多少の文化の違いがあれど基本的に隣国であり、アジア圏内なために看板の文字を無視して作品を見れば日本人でも違和感が感じないかもしれない。

しっかりと韓国映画を見るのは初めてだったが、文化圏が近いからこそ韓国映画が進んでいるといわれる意味がよくわかる。

日本の映画のテレビドラマのような俳優自身の演出によって失う緊張感、削がれるドキドキ感がない。

特に良いのがもちろんクライマックスである。

15年監禁の束縛から解放された男の狂気とミトとの交流による人間性の回復、イ・ウジンから知らされる真実によって解放され取り戻した人間性、復讐への狂気すべてを失う。そしてイ・ウジンの犬になってでも隠したい真実だけが残る。

ついに復讐を行うのかと見ている側の気持ちは高まり、静かに上るエレベーターからイ・ウジンを守るボディーガードを圧倒的な感情の力のもと倒す。

見ている側の気持ちは最大限まで高まるのだ。そこでイ・ウジンとの会話によって高まった興奮が急落下しながら冷めていく。

オ・デスの行動すべてがイ・ウジンの手のひらの上だった事実、積み重ねた積み木を根元から弾き飛ばされたような衝撃がある。

2時間ほどしか時間がない映画にするためにどのようにシナリオを構成していくか、矛盾をや違和感を無くし綺麗に積み上げていくかとしっかりと組み立てられた作品だった。

作品として、原作からの変更として監禁時間が15年なのか、なぜ5日かんなのか。日本ではよくなぜ変更しているのかが分からない設定があるがこの作品ではない。

映画の尺と流れの都合上の5日間にすることで無駄な展開を削られ、15年の監禁が作品最後の秘密にかかわってくる。

この映画は話のシナリオや伏線など見ている人を飽きさせないテンポを考えれて作られているのでぜひ見てほしい。

【点数】4/5

【ざっくりと内容】 (ネタバレあり)

突然、監禁されたオ・デス

訳も分からずに13年という期間、理由も教えられずにただ監禁される。

監禁した相手に復讐を誓い、地道に抜け穴を掘り抜け出せると思った思いながら、眠らされ気づくと自分が誘拐された場所へと戻されていた。

何もかもが変わってしまった街をさまよっているオ・デスに浮浪者が携帯と財布を預かり物として渡してくる。

お金が手に入り、食事をしようとして気を失うオ・デスを助けたのがミドだった。

何もかもを失ったオ・デスは復讐の手がかりを探すために自分が監禁されていた場所でミトと一緒に毎日食べていた餃子の味を手掛かりに探すために韓国中の出前のできる中華料理店で餃子を吐くまで食べ続ける。

そして監禁されていた7.5階のビルにたどり着く。

ミトが行っているインターネットのチャットで居場所を突き止める。それはミトのマンションの向かい側であり監視されていたのである。

そこに行くとイ・ウジンという人物がおり、殺そうとするオ・デス。しかし、なぜ監禁されたか知りたくないのかとささやき殺すことが出来なくなる。

復讐と監禁の真実を知るために、5日間の猶予を与えられイ・ウジンの名を手掛かりに監禁された理由を探す。

記憶にない名前になぜ15年物監禁をされるほどの恨まれているかが分からない。

手がかりを追い続け、自分がイ・ウジンと一緒の学校にいたことが分かり、そしてそこで行った些細なことがイ・ウジンの姉の自殺を招いたことを知る。

ミトを自分が監禁された店に預け、オ・デスはイ・ウジンを殺しに行く。

しかし、オ・デスの開放されてからのすべての行動はイ・ウジンの手によって操られていたことを知る。

そこであかされるミトの秘密

イ・ウジンに犬として生きるといってまでミトに隠したい秘密

○○のそして復讐は成し遂げられる。

おわりに

主人公である オ・デス がなぜ真実を知ってからあれほどまでに狼狽して靴をなめることもいとわない行動に出たのか?

この辺は韓国の文化圏に関係する。

韓国では近い血縁関係の同士の結婚は禁止されており、大体同じ姓だと血縁関係つながりがあるために結婚できないということがあった。その価値観はとても強く。

恋人がいざ結婚しようとしたときにその事実を知って飛び降りをするという事件が起きるほど重要視されている。飛び降りをした2人は日本では何の問題もない程度には血縁関係が離れていてもこの事態なのだ。

これがもっと近しい血縁関係だった・・・

といったことを知っていると映画を楽しむ足しになるのではないでしょうか。