分かりやすいホラー映画、モキュメンタリーとしてテレビ番組の撮影というテイを守って番組が作られており、この番組はやらせじゃないですよという雰囲気をしっかりと作っている。

【ストーリー 前編 】

テレビの心霊番組としてタレントが霊能者が問題を解決するまでをリポートするという番組で、あびる優、岩佐真悠子、入来茉里の3名と霊能力者の雲水が心霊現象が起きていると連絡のあった金田家を訊ねる。

しかし金田家を見て回ってもないも感じないという雲水が語るが、その瞬間から怪奇現象が彼女たちを襲う。怪奇現象の詳しい原因が分からないまま除霊を行う雲水、力不足のために金田家の娘の美保は悪霊にとりつかれ、雲水は自分の力ではどうすることもできないと雲水は師匠である龍玄に除霊をお願いするのだが龍玄ですら手も足も出ないほどの悪霊だった。

龍玄と雲水が金田家で除霊を行い龍玄の力で除霊が成功したように見えるのだが、2人は除霊が出来ずに倒れてしまう。

自分の力ではどうすることもできないと考えた龍玄は型破りな霊能力者である「NEO」に除霊を依頼していた。

【タイトル】カルト
【監督】白石晃士
【脚本】白石晃士
【国】日本
【公開】2013年
【点数】 73点


【 感想 】

ホラーと思わせる前半とファンタジーとしての霊能力とよりも超能力としての力を使うNEOが活躍して一気に物語を推し進める。3人の女性タレントは実名で登場して実際にあった出来事のように演出され、モキュメンタリーとしてテレビ番組の撮影という体を守って作品が作られている。この番組はやらせじゃないですよという雰囲気をしっかりと作っているので面白い。

もちろん映画なのでヤラセなのだけど、心霊番組で突拍子のないことが起きているという内容に、金田家で起きていることを見ている人にこれでもかというほどに分かりやすく演出している。

金田家で起きている現象はこれで、だれが金田家を呪っているのかも普段見るテレビ番組の編集と同じように分かりやすく止め絵を出したり、原因を作っている側が説明をしたりと誰が見ても分かるようになっている。


霊能力者も段々と強い力を持つ存在を出していっているが、龍玄と雲水は分かりやすい霊能者として登場するのに対して型破りで強い力を持つNEOはいきなりテーブルに座り込んだ登場をして龍玄では気づかなかった悪霊を除霊してしまう。

まさにヒーローとしての強烈な存在感を出している。この後の除霊も雲水たちのように呪文を唱えることなく力技で除霊を行っているような演出で強力な存在であることを見ている人にアピールされる。


ホラー映画としてのブレがなく、無駄な恐怖演出をせずに面白いホラー映画として作られているのは日本映画にありがちな無駄な要素を入れることなくしっかりと排除してあり、映像で何が見せたいかがしっかりした作品である。

【ストーリー 後編(ネタバレ)】

NEOが金田家に訪れるとその日のうちに隣の家から呪いを掛けられていることに気づき呪詛返しをしてこれ以上されてくなければ引っ越すように伝える。

これで解決し金田家が家に戻らすのだが、NEOはテレビクルーに監視カメラを外さずに撮影するようにと伝える。

その夜になると金田家の母親である朋絵が美保に悪霊を取りつかせる映像が撮影される。朋絵の目的は美保の身体を通して神様を厳正に呼び出すことだったが寸前でNEOに止められてしまう。

全てが解決したかと思った矢先に撮影途中で恐怖でリタイヤしていた入来茉里が霊体として表れてNEOたちに危害を加えようとするがNEOに払われてしまう。

そして映画はジャンプ漫画の打ち切りのように闘いはこれからだといった感じで幕を閉じる。