映画『Z Bull ゼット・ブル』の感想

あらすじ

巨大軍事企業アモテック社の経理部で、不真面目に働くデズモンド。度重なる遅刻や勤務態度の悪さからリストラ候補となっている。いつものように遅刻して出勤し、バレないように適当に仕事をこなしていたが、周囲の真面目な社員たちの様子が明らかにおかしい。

目は血走り、言葉には妙な威圧感があり、ついには暴力的な態度を取り始める。原因は、会社が試験的に配布した集中力向上ドリンク『ゾルト』だった。これを飲んだ社員たちは、自派閥以外の者と殺し合いを始めたのだ。

幸いにも、配布時に遅刻していたデズモンドと仲間たちは『ゾルト』を飲まずに済み、社内の惨状から脱出を図る。しかし防衛システムを誤って作動させてしまい、それを解除すべく社長のもとを目指す。

そこに、脱出を狙う上司ナスバウム率いる部下たちが押し寄せ、状況はさらに混沌と化す。

さらに、意中のサマンサが『ゾルト』を少量摂取してしまい、解毒と脱出を目指してビル内を奔走することになる――。

 

作品情報

  • タイトル:Z Bull ゼット・ブル(原題:Office Uprising
  • 監督:リン・オーディング
  • 脚本:イアン・ショア、ピーター・ギャンブル
  • 撮影:ロバート・ブリンクマン
  • 製作国:アメリカ
  • 公開年:2018年
  • 上映時間:89分

 

キャスト

  • デズモンド:ブレントン・スウェイツ
  • サマンサ:ジェーン・レヴィ
  • ムラト:カラン・ソーニ
  • アダム・ナスバウム:ザカリー・リーヴァイ

感想(※ネタバレあり)

観終わったあと、まず思い出したのは『バイオハザード4』。
主人公がヒロインを見つけ出し、感染を除去して脱出するという展開は共通しており、物語のわかりやすさが観客にも受け入れられやすいのだと感じた。

『ゾルト』は本来、集中力を高める目的で開発されたドリンクだったが、デズモンドが発注をさぼったことで代用品が使われ、結果として副作用で脳が溶け、凶暴化する事態に。軍事企業が開発するにはそれなりの目的があるのだろうと想像はつくが、具体的な説明は少なく、「なぜ軍需企業が清涼飲料を開発しているのか」という疑問は残る。

とはいえ、全体的にはコメディタッチ。スプラッター描写もあるが、深刻になりすぎず、軽い気持ちで楽しめる作品に仕上がっている。

『ゾルト』を摂取した人々の中には、理性が失われて命令に従うだけの者もいれば、会話や武器の使用が可能な者もいる。このあたりは、やはり『バイオハザード4』の設定をアレンジした印象を受けた。

とはいえ、ヒットする物語というのはどうしても似通ってくるもの。設定の使い回しや影響は避けられないのだろう。

ギャグ、アクション、そして適度なスプラッター要素が混ざったこの作品は、重くならずに観られる一本。気分転換や息抜きにちょうど良いと感じた。

点数:3/5

  • 5:人に紹介できる面白さがある映画
  • 4:感性の違いはあるかもしれないが、面白い映画
  • 3:時間の無駄ではない映画
  • 2:最後まで観るのが辛い映画
  • 1:紹介してきた人を殴りたくなる映画