アメリカで1館1週間上映で72ドル稼いだ映画がある。日本ではあまりお目にかけないイギリスの映画「ストレージ24」
1時間30分程度の映画なのだが、見るに堪えられない映画かと問われればそんなことはない。ハリウッド映画とは何かが違うテンポの作品であり、極端にテンションがあがるシーンがあるかと言えば返答に困るが、バックミュージックがうるさい以外は大きな問題はない。
ストーリー
ロンドン市内に軍用貨物機が墜落してしまい、街が混乱状態になる。
同じ頃に貸倉庫に荷物を取りに来たチャーリーは、そこで元彼女のシェリーと出くわす。チャーリーはなぜ別れないといけないのかを問い詰める。そんな中、停電になり貸倉庫から出れなくなる。
そんな貸倉庫に落ちた貨物機から逃げ出した宇宙生物が潜り込み人を襲う。
宇宙生物に襲われて訳も分からないままに貸倉庫から脱出しようとするチャーリーたちだがシャッターが停電で開かず脱出できなくなってしまう。
キャスト
チャーリー 何故自分が振られたのか分からないと文句を言い続ける男
シェリー チャリーを振った女
マーク チャーリーの親友、
ニッキー シェリーの親友で作中何気に頑張ってる人
感想
いまいち盛り上がりに欠ける映画というのが感想になってしまう。
ストーリーを端的にいうと、
振られた男と振った女と寝とった男プラス以外に活躍する女が宇宙生物から逃げて貸倉庫から脱出する話
50文字にも満たないのだが、ぶっちゃけるとこれだけの話だけれども、宇宙生物と対峙するシーンだってあるのに盛り上がりに欠けるのである。
作品を振り返ると、演出や内容はしっかりとしていると思う。
チャーリーとシェリーの距離感だが貸倉庫で出会うシーンではシェリーに壁があるような立ち位置と話し方をするのだが、最後には寄り添うような立ち位置に変わっており貸倉庫での出来事が心の距離がまた近づいていることを表している。
マークがチャーリーがダフトを抜けているときに思い出したかのようにシェリーの関係のことを言い訳しようとするときには環境音やバックミュージックを消して観客に仲が悪くなった二人がなぜなにも言わずに協力しているかの心情を分かりやすく伝えている。
チャーリーとマークには対比がされており
・彼女に振られたチャーリー、彼女を寝取ったマーク
・チャーリーはスーツ姿で硬いイメージ、マークはラフな格好でかっこいイメージ
・チャーリーの登場では彼女に振られたことを未練たらしく愚痴をいうのにたいしてマークはその話を聞きながしている。
チャーリーよりもマークのほうが上であるような印象を与える演出がされているが、作品が進むにつれてこの扱いは逆転していく。
チャーリーはまるでのび太のようで最初はテレビ版のように情けないイメージがあるのだが話が進むにつれて映画版のび太のように勇気があり行動力のある人物へと変身していく。
人間関係や人物の変化はわかりやすく演出されているのに対して、音響はとても酷く。見ている最中にもう音楽を止めてくれろ叫びたくなるほどにバックミュージックや環境音を入れており、酷いシーンでは環境音なのかミュージックの音なのかが分からなくなっている。
作中、ほとんどのシーンで音楽が流れておりやりすぎとしか言いようがない。
カメラワークについては、地下で不自然な物越しで撮影されているシーンのように宇宙生物の視点としてのシーンやそのシーンで喋っている人物や注目してほしい人物以外は全てピンボケするといった露骨な演出、人物の心境が不安になるとカメラがブレだすといった見ている人を不安にさせる演出がされている。
宇宙生物がシェリーを地下から倉庫の中に連れて行った理由や途中で出てくるじいさんが宇宙生物に殴られて顔が裂けているのに、チャーリーは何度も殴られても平気な理由がわからん。
話を盛り上げるためだとはわかってはいるのだけどれど・・・
わかりやすい演出がされているので、見やすい作品だとは思うが、どうしてもくどい音楽が見ている人の邪魔をしているように思える。
ヒロインのシェリーはどうしても顔がオタフクに見えるので、なんで彼女を取り合ってるのかが最後までわからない。
もう少しヒロインを・・・と思うのは良くないのかもしれないがどうしてもねと思った。