タイトルと雰囲気から、てっきりホラードラマだと思って再生したら、まさかのミステリー展開。

『この動画は再生できません』は、投稿された“怖い動画”を検証していく中で真相を解き明かす、ホラーとミステリーをうまく融合させた異色のドラマです。

そして何より、芸人・かが屋の二人が演じるコンビの空気感が絶妙で、気づけば最後まで一気に観てしまう軽快さがあります。

ホラーだと思ったらドラマだった、という仕掛け

番組開始直後、およそ12分間にわたって女子高生たちの恐怖体験動画が流れます。

タイトルも「この動画は再生できません」と不穏そのものなので、「ホラー再現映像かな」と思って観ていると、演出や登場人物の行動にどこか違和感が残る。

「再現映像にしては妙に合理性がないな」と感じているところで、女子高生たちが全滅。その直後、突然ブランコが揺れる場面に切り替わり、かが屋の二人が登場して会話を始めます。

ここで初めて「ドラマだったのか!」と気づき、ホラーだと思って観ていた視聴者をうまくミスリードしていたことに気づかされます。

かが屋演じる映像ディレクター江尻(加賀翔)とオカルトライター鬼頭(賀屋壮也)が、投稿動画に潜む違和感をひとつずつ解き明かしていく構造で、ホラーよりもミステリー要素が強い作品です。

最後は中華の出前が届くというお決まりのオチで締められ、重くなりすぎず、気軽に楽しめる作りになっています。

ドラマの魅力:かが屋の軽妙なコンビネーションと25分の手軽さ

物語の舞台は基本的にひとつの部屋。江尻と鬼頭の二人が投稿動画を観ながら推理していくシンプルな構成です。

適当そうでどこか憎めない鬼頭と、それに振り回される真面目な江尻。このコンビの関係性が、まるでダメな上司と苦労する部下のようで妙にリアル。

投稿動画をどこか他人事のような軽いノリで分析するやり取りも自然で、二人の演技力と掛け合いがしっかり作品を支えています。 1話25分という短さもあり、気軽にサクッと観られるのも魅力です。

惜しい点を挙げるなら、全4話と短いこと。さらにラストでは、ミステリーに寄っていた物語を再びホラーに戻す見事なオチがつくものの、続きが気になる終わり方で終了してしまいます。

どうやら第2期も放送され劇場版も放映されたのでそちらもしっかりと面白かったです。ちなみに、テレビ神奈川で放送された際は、15分ごとに「謎編」と「回答編」に分かれて放送されていたそうです。

動画パートの“怖い話”と、かが屋二人の検証パートが重なり合うことで面白さが増しており、しつこくなりすぎない演出バランスにも好感が持てます。

Amazon Videoで視聴でき、1話25分と短いので、できれば何も情報を入れずに観るのがおすすめです。

点数:4

  • 5 … 人に紹介できる面白さ
  • 4 … 感性の違いはあるかもしれないが面白い
  • 3 … 時間の無駄ではない
  • 2 … 最後まで見ることができないこともある
  • 1 … 紹介してきた人を殴りたくなる

各話の見どころ

  • 第1話:死者から来た呪いの動画
    女子高生3人が死ぬというホラー風再現映像からスタート。江尻と鬼頭が動画の不自然なカットに気づき、「そのカットは何を隠しているのか?」を解き明かします。シリーズの入口として引き込まれるエピソードです。
  • 第2話:消えた配信者
    ホラー系YouTuberがドッキリ企画後に消息を絶つ話。心霊現象を機械トラブルとして片付けながらも、それでは説明できない事実へたどり着く展開が面白い回です。
  • 第3話:事故物件
    ヤラセ動画だと見抜いた江尻が、編集の違和感から真相を導きます。わざとカットを繋いで違和感を出す演出など、動画編集ネタも効いています。ラストに届くメールがゾクッとするアクセントに。
  • 第4話:呪われた社内ビデオ
    退屈な会社紹介動画に隠されたメッセージを見抜くエピソード。ミステリーに寄っていた物語を、最後に再びホラーへ戻す展開が見事。ただし、紹介動画の退屈さは本気で眠くなるレベル(笑)。

総評

『この動画は再生できません』は、ホラーとミステリーのバランスが絶妙で、かが屋の軽妙な掛け合いが魅力のドラマです。

全4話と短いながら、1話25分でサクッと楽しめるため、ホラーやミステリー好きには特におすすめできる作品です。

続編がどう展開するのか、今から楽しみになる一本でした。