ジャニー喜多川が製作総指揮の「少年たち」
ウエスト・サイド物語みたいな作品がやりたいのかなと思いつつ見るのが正しいのかなと。作品の是非は置いておくとして、この作品を今見ると星野リゾートの旧奈良監獄を改築したホテルのPV映画に見えてしまう。
少年刑務所で行われるヒューマンドラマ。
怪作と言ってしまえばそれまでかもしれないが軽くストーリーだけ触れておく。
刑務所に入ることになったジュンが赤房のリーダーであるジョーたちと同じ部屋で過ごすうちに友情が芽生える中、赤房と青房との争いが耐えなかった。そんな彼らのグループの二人のあとある事情から少年刑務所を脱獄しようとするというミュージカル。
※ちなみに少年刑務所とは
16歳以上20歳未満の受刑者を収容する刑務所のことを指していて少年院ではない。
星野リゾートの旧奈良監獄を改築したホテルは2024年に開業らしいです。
2021年3月現在、アマゾンプライムで見ることができる。
【タイトル】少年たち
【監督】本木克英
【出演】ジェシー, 京本大我, 髙地優吾
【ジャンル】ヒューマンドラマ
【公開】2019
【時間】1時間44分
Amazonではこちらから
【感想】ネタバレありです。
少年たちはもともとが舞台のミュージカルとして上映されており、ジャニーズ事務所の所属タレントが多数出演する登竜門的な作品だったようなので映画化もありなのかもなとは思っていたり、映画の撮影に使われたのは今は使われなくなった旧奈良監獄、北海道の観光地で有名な網走刑務所と同じ形をした5つの舎房から中央見張所を通っている建物が舞台となっている。
噂では映画だからジャニー喜多川さんがやりたいことをやった流れがつながらない映画と聞いていたが想像よりもダンスや歌が多めだったことはさておき、映画の流れが繋がらないほどではない。
劇中に、赤房と青房が主軸に黒房が中盤までは登場するが、赤と青にはそれほど絡まず、黒房だけの物語が独自に展開していることから作品がややこしくなっている。
黒房の物語は最も盛り上がるとミュージカルなのでもちろん踊りだす。刑務所の中なのに湾岸付近で囚人服でもなく、カッコイ服装で踊りだしている。
まさに彼らのグループのPVが始まるのだ。太陽の下で仲間たちとという部分にはたしかに掛かってはいるけど、ほんとにそれ要るのと頭にハテナマークが浮かびつつ映画のストーリーを継ぎ接ぎだらけにしている原因でしょ。
なんやかんやで監獄といえば脱獄、赤房と青房の中に2人がどうしても脱獄しなければならない理由ができたので脱獄を企てて実行に移すのだが…
おいおい、お前ら踊れよミュージカルだろ。作品上一番盛り上がる場面なんだからアクロバテックなダンスをしろよ。
何故か普通に演技してそのまま脱獄シーンは終了。
悲しい出来事があったので歌って刑務所を出所。
おいおい、なんなの映画始まって9分半ほど延々とオープニング込で踊っていたのに、後半でどうなのそれ。
そんな監獄もときがってホテルになり、そこの舞台で今まででてきてないと思われる奴らがタップダンスやらなんやらで結構な時間遣って様々な趣向のダンスをやってるのを見て確信した。
これはジャニーズ事務所のPV映画だったんだ!!
最初からわかっていたけど、本当にどうなのこれ。
ジャニーズファンのための映画なので仕方がないのかなと思いつつも。それなりに面白かったことは否めない。
ミュージカルシーンで気になったのがナレーションで赤と青が争っていると言われてダンスしてるんでてっきり暴力シーンはダンスで演出するのかと思いきや普通に争っているシーンがある。
ミュージカルは基本的に映画の中での心の機微に関してのみ踊ったり歌ったりするように演出されているのかなと。
ウエスト・サイド物語に近いものをやろうとはしていたんだろうけど、なんとなく微妙な設定の甘さだけが気になってしまった。
■□映画点数□■
【点数】3
5 … 人に紹介できる面白さが解る映画
4 … 感性の違いはあるかもしれないが面白い映画
3 … 時間の無駄ではない映画
2 … 最後まで見ることができないこともある映画
1 … 紹介してきた人を殴りたくなる
世の中にはこんな怪作があるのかという意味でも3点、細かく3.2点ぐらいの作品という感想