BS朝日『迷宮グルメ 異国の駅前食堂』【2018】感想と記録
芸人ヒロシが、異国を列車で旅して「駅前をぶらつくだけ」。
それなのに、妙に刺さるのが『迷宮グルメ 異国の駅前食堂』です。
番組の骨格はシンプル。
- ぶらりと降りた駅前で食堂を探す
- 旅先の一食はギャンブル(飯で旅が決まる)
- 人と空気に当たり、当たり外れごと飲み込む
そして何より、ヒロシの独白が効いている。
日常から少し距離をとりたい夜に、この番組はちょうどいい温度で効きます。
2018年:放送メモ
- 2018/08/10:スロベニア&ミャンマー 2ヵ国放浪旅
- 2018/11/20:マレーシア&スロベニア 2ヵ国放浪旅(スロベニアは再放送)
- (メモ)クロアチア&トルコ 2ヵ国放浪旅
- (メモ)クロアチア&タイ 2ヵ国放浪旅
下車した駅
- マレーシア:スリムリバー駅
- ミャンマー:チミダイン駅
- スロベニア:リュブリャナ駅
- クロアチア:ザグレブ中央駅/シサク駅
- トルコ:ペンディック駅
- タイ:メークロン駅
2018/11/20:マレーシア&スロベニア 2ヵ国放浪旅(スロベニアは再放送)
【マレーシア】スリムリバー駅:冷房列車→灼熱の駅前へ
ガンガンに冷房の効いた列車を降りた瞬間、空気が変わる。
暑さの暴力みたいなマレーシアの駅前で、ヒロシはまず喫茶店に逃げ込み、謎の真っ赤な飲み物を飲みます。
マレーシアは長くイギリス統治下にあった影響で、紅茶文化が根付いている。
街を歩けば、アラビア文字を改良したジャウィ文字の石碑も出てくる。
駅前をぶらつくだけなのに、ちゃんと“異国の匂い”が立ち上がるのがこの番組の強さです。
露店で自撮り棒を10リンギットで買い、ตลาด(市場)をぶらぶら。
アルミの弁当(10リンギット)を買って、食堂へ向かいます。
食事のお店:グライカッパ(初代店主の名前が店名)
ライスは無料で、おかずを自分で取るビュッフェ形式。
マレー系・インド系の人たちは右手で素手食べが基本。
そして、だいたいの料理にチリソース。ここ、妙に納得する“南国の食”でした。
食べたもの(マレーシア)
- ロジャ(4リンギット):厚揚げにチリソース+海老ペースト、砂糖とライムで味付け
- バンドゥ チンカウ(1.8リンギット):練乳・クリーム・バラシロップ・ガムシロ・水・コーヒーゼリー
- チェンドル(2.5リンギット):かき氷+甘味+緑のライスヌードル+ココナッツミルク
- もやし炒め(1リンギット):もやし/にら/パプリカ
- アジフライ(3リンギット):カレー粉+塩コショウ
- ダギン キチャ(2リンギット):牛肉+フライドオニオン煮込み(干しブドウ入り)
- アヤ マサメラ(3リンギット):鶏もも+スパイスのカレー(レモングラス等)
同じ食べ物でも、手で食べると味が変わる。
指に味はないのにね。
――ヒロシ
2018/08/10:スロベニア&ミャンマー 2ヵ国放浪旅
【スロベニア】リュブリャナ駅:首都の駅前で“家庭料理”に当たる
スロベニアの首都にあるリュブリャナ駅で下車。
駅構内でオレンジをその場で絞るジュースを買い、顔写真を撮るプリクラ的な機械で小銭が出ないトラブルに巻き込まれつつ、街へ出ます。
駅の階段に荷物用のエスカレーターが付いているのが地味に便利。
そして街は、ドラゴンのモチーフがやたら多い。
守護聖人(聖ゲオルギオス)由来…という文脈があるのも“旅番組の学び”としてちょうどいい。
プレシェーレン広場では、演奏するおじさんとセッションまで発生。
こういう「狙ってない交流」が起きるのが迷宮グルメの気持ちよさです。
食べたもの(スロベニア)
- クランスカ・クロバサ(ローストポテト添え)8.7ユーロ:法律で規格が決まったソーセージ+マッシュポテト
国の法律でソーセージの原料が決められている…
それが、あの肉汁のヒミツ。
――ヒロシ
【ミャンマー】チミダイン駅:最も古い駅、汗が“生活”になる
ミャンマー最古の駅の一つ、チミダイン駅で下車。
古い街並みと新しい建物が混ざる街をそぞろ歩き、辿り着いたのはシャン地方の伝統料理を出す24時間営業の喫茶店。
暑さが凄くて、汗で1ドル札が皮膚から剥がれない。
この“暑さのリアリティ”が、そのまま旅の記憶になる回でした。
物価メモ
- お米 1ピィ(約1.8kg)3300チャット=約265円
- ゲームセンター 1時間 200チャット=約16円
食べたもの(ミャンマー)
- シャン カウスエ(シャンヌードル)1000チャット(約80円)
シャン族のラーメン屋は、1杯80円で熱々の米麺を24時間振る舞っている。
――ヒロシ
(メモ)クロアチア&トルコ 2ヵ国放浪旅
【クロアチア】ザグレブ中央駅:土産→蚤の市→シーフード
ザグレブ中央駅で下車。
ユネスコ無形文化遺産の伝統菓子リツィタル(ジンジャークッキー)に触れたり、ブラックベリーを買ったり。
路面電車で移動して、骨董と青果の蚤の市(ブリタンス広場)を見つけ、ランタンを購入。
食堂はシーフードの店へ。
材料はアドリア海、味付けはオリーブ油と塩のシンプルさ。
そして隣の人と料理を交換する流れが、妙に“旅っぽい”空気を作っていました。
食べたもの(クロアチア)
- 魚のスープ(18クーナ)
- イカのグリル(34クーナ)
- 季節のサラダ/パン
- 合計:67クーナ
【トルコ】ペンディック駅:街の勢いに流されながら“朝飯”へ
イスタンブールから24km、ペンディック駅で下車。
賑やかな街を歩きつつ、顔の白塗りエステ体験や、トルコ菓子ロクマの試食など、駅前の勢いにそのまま乗っていく感じ。
食べたもの(トルコ)
- トマトとピーマンのオムレツ(9トルコリラ)
- ミニ水餃子のヨーグルト和え(15トルコリラ):にんにくヨーグルト+唐辛子バター
- ひき肉とクルミのコロッケ
- 合計:35トルコリラ
全体の印象は「ギリシャの食材」と「アジアの食材」が混ざった感じ。
この“混ざり方”がトルコの面白さだなと思いました。
(メモ)クロアチア&タイ 2ヵ国放浪旅
【クロアチア】シサク駅:Googleに負けた日
「生のクロアチアを感じたい。日本でいう卵かけご飯みたいな旅をしたい」
…という気持ちで駅前を歩くのに、最終的にGoogle検索した人と同じ店に落ち着いてしまい、
“Googleに負けた”と落ち込むのが、すごくヒロシらしい。
食べたもの(クロアチア)
- ファンシーレモン
- ジョプスカ・サラダ(夏の定番)
- チキングリル(赤パプリカ&ナスの保存食アイヴァル添え)
スマホ頼りは近道だけど、一見ムダでも遠回りでも、一期一会が旅の醍醐味。
【タイ】メークロン駅:線路市場の“すごい”は本物
露店の横を電車が通り、通過すると一斉に店が広がる。
映像で見ても「すごい」の一言。
食べたもの(タイ)
- ビーフヌードル(小):米粉麺で少し硬め
- カオパット サイクロ:ソーセージ入りチャーハン
- センミーナームガイ:鶏肉入りビーフン麺
気をつけて頼まないと、タイのごはんにはやたら苦手なパクチーが入ってます。
まとめ:この番組、刺さるのは“うまい飯”より“当たり外れ”
『迷宮グルメ』は、グルメ番組なのに「うまい」だけを追いません。
むしろ、外れかけた飯も、微妙な空気も、暑さも、全部まとめて旅の手触りにする。
だから見終わると、「どこかへ行きたい」じゃなく「どこかへ逃げたい」が残る。
日常のノイズを一回切るのに、ちょうどいい旅番組でした。

