クトルフをネタにしたB級ホラー、古書ネクロノミコンを母親の目を盗んで読んだ姉妹が憑依されそれを神父と姉妹と同じように憑依されている男が悪魔祓いをする話。
【タイトル】マーク・オブ・ザ・デビル
(原題La Marca del Demonio/Mark of the Devil)
【制作国】メキシコ
【製作年】2020年
キリスト教としてのお祓いのシーンが冒頭にあるそれ以外は神父がアーメンとか言いながら除霊するシーンは無い。あとは憑依サれた存在同士の肉弾戦。
その肉弾戦も悲しいかな。エフェクトとか超能力といった不思議な力はほぼなく、リアルに殴るだけなのも低予算の映画の宿命。
ネタとして使われているネクロノミコンはほとんど意味がなく、ほかの呪いの書でも良かったようにも思えるが、制作したメキシコではもしかしたらそこそこメジャーでクトルフ神話が分かる人たちがいるのかもしれない。
オープニングから子供がベットに縛り付けられて悪魔祓いが行われるが子供は亡くなり家から子供をシーツに包んで出ていく場面の空の雲は中世の宗教画のそらのように真ん中に青空があり、まわりを雲が取り囲んでいる。
作中で空の風景を印象的に演出しているシーンはここしかなく、キリストが亡くなりトリノの聖骸布に包まれている場面を意識している。作品を見ればわかるがこの行為が何を意味しているのかは映画のラストを見るとなんとなくわかる。
8分ほどのオープニングが終わり、物語はいきなり30年ほど飛んでメキシコの姉妹の話となる。母親が仕事として持って帰ってきたネクロノミコンをかってに持ち出して読んだがために姉妹の1人が呪われ、謎の行動と不思議な現象が起こることから家族には内緒で悪魔祓いの神父に助けを求めるといったところで序盤が終わる。
姉妹とへ別に神父と取り憑かれた男の苦しみを結構しつこく演出していて、あまりの苦しさに麻薬に逃げたり、女に溺れたりと中年男の苦しみを見せたいのはわかるのだけど、このシーンは半分ぐらいの時間で十分な気がした。
最初の7分で悪くはなさそうと感じられただけに、え!そんな悪魔祓いなのとか思いつつ見ているとやっぱりB級だなと。