NHK『ドキュメント72時間』2018年の記録と感想

NHK『ドキュメント72時間』の中で、2018年前後に放送された印象に残っている回を視聴記録としてまとめておきます。

どれも「その場所に集まる人の72時間」を追いかけることで、思いがけない人生や感情が見えてくるのがこの番組の魅力だと改めて感じました。

命を運ぶ 大病院の引っ越し

【放送】2018年7月27日

東京・目黒にある、1400人以上が働く5階建ての大きな病院が、200メートル先の新病院へ移転する3日間を追いかけた回。

当然ながら入院患者も移動するため、普通の引っ越しとはまったく違う。

新しい機材の搬入と同時に、古くから残っていた物の整理も進む。長年働いたスタッフや、通い続けた患者の愛着や感傷も伝わってきて興味深い。

状態が安定している患者から順番に車で搬送されるが、距離はわずか1分でも、安全第一で慎重に移動させていく。人工呼吸器を装着した患者も当然搬送される。

こうした緊張感ある現場を見られるのは、やはりテレビならではだと思いながら見てしまう回だった。

大阪・道頓堀で物々交換

【放送】2019年2月22日

大阪の神様・ビリケンさんの小さな像から物々交換をスタート。

ボールペン、工具、高級ブランドの名刺入れ、7万円のコートなど高価な物に変わることもあれば、飴やお守りに戻ることもあり、価値が上がったり下がったりするのが面白い。

友達からもらった物や誕生日の記念品など、思い出の品をあっさり交換してしまうところにも、この企画ならではの面白さを感じた。

さらば築地市場 いつもの立ち食いそば屋で

築地市場で働く人たちが通う立ち食いそば屋を舞台に、最後の日常を追う回。

市場そのものではなく、いつもの店で話を聞くところが番組らしい。

築地を去る人たちの話を聞いていると、どこか切なさも残る回だった。

それでもバイクで走る理由

東京湾岸にある大型バイク用品店での72時間。

年齢や性別を問わず、バイクに魅せられた人たちが、自分の人生や幸せをバイクと重ねて語る姿が印象的だった。

仕事帰りの人、仲間とのツーリング、新しいバイク購入を考える人など様々。思っていたより女性ライダーが多かったのも印象に残っている。

北海道ツーリング帰りの人が立ち寄る場面もよかった。

冬の東京 たい焼きエレジー

東京・四谷の路地裏にあるたい焼き店を舞台にした回。

3日で7400個も売れる、粒あん一本勝負の昔ながらのたい焼き。1個150円という価格もあり、多くの人が訪れる。

たい焼きを手にした瞬間の幸せそうな表情が印象的で、今回ほど「人それぞれの人生」を身近に感じた回はないかもしれない。

商社を辞めて俳優を目指す人や哲学を学ぶ学生など、わずか3日で本当に多様な人生が交差する。

3333段 日本一の石段の先には

【放送日】2018年11月24日

熊本県美里町にある、日本一の段数を誇る石段・釈迦院御坂遊歩道を訪れる人々を追う72時間。

距離は約2.1キロ。撮影するテレビクルー自身も上り下りに苦しみながら取材を続ける。大人でも登るのに1時間半ほどかかるという。

石段の先には、死ぬとき苦しまないといわれる寺があり、「ほっくり寺」と呼ばれている。

再挑戦する家族、余裕で笑いながら登る女性グループ、健康やダイエットのために登る人、過去に1日11回登ったという強者も登場。

学生、看護師、仕事や人生を見つめ直すために来る人など、理由も背景も実に様々だった。

最後に登場した68歳男性は石段のタイムトライアルを続けており、現在53分という記録を持つというのも驚きだった。

渋谷“アムラーの聖地”

【放送】2018年10月5日

安室奈美恵さん引退前、渋谷に設けられた展示周辺を72時間追った回。

シングルマザー、聴覚障害のある人、小さな子供連れなど、様々な人が訪れる。

多くの人が「人生の迷いの中で安室奈美恵の歌に救われた」と語る姿が印象的だった。

浅草のバッティングセンター(再放送)

【放送】2018年5月12日

浅草雷門近くの裏路地にある、グローブのオブジェが目印のバッティングセンター。

YouTubeで練習方法を研究して打撃練習をする女性、健康のために左右打席に立つ年配の男性、外国人観光客、草野球の練習をする人など利用者は多彩。

親子の交流やカップルのデート、会社の上司との付き合いなど、意外と利用シーンが幅広い。

特に印象的だったのは、女子プロ野球選手を目指してキャッチャーの練習をする少女。指が割れるほど練習しているという話が強く残った。

5席しかないが、土曜日は行列ができ、72時間で約2040人が訪れる人気スポット。

思った以上に女性やカップルの利用が多く、ネイルをした女性が手袋をして打席に立つ姿にも妙に納得してしまった。