X年後の関係者たち あのムーブメントの舞台裏 【機動警察パトレイバー編】
BS-TBS 3月7日(火)放送分

【 参加者 】 
ゆうきまさみ、脚本家・伊藤和典、メカニックデザイナー・出渕裕、ジェンコ・真木太郎

パトレイバーの特徴

・原作者集団ヘッドギア
・リアルな世界観
・メディアミックス展開


当時のアニメではめずらしく権利を出版社ではなく、原作者集団ヘッドギアの5人のクリエイター(ゆうきまさみ、高田明美、伊藤和典、出渕裕、押井守)ががもっていた。

出版社とかでアニメ雑誌で乗せてもらえるページが2ページほどしかないところをヘッドギアが権利を持つことで多くのページの特集がくんでもらえた。

権利を緩くすることができたパトレイバーだけのために集団だったが個性の人たちなので仲が良かったのは最初だけと真木さんがちゃちゃをいれているところで悪役を買ってさすががなという感想。

【メモ書き】 

現代の鉄人28号をめざした。
日常アニメにしたい。

当時干されていた押井さんが最後に入ってきた。
クリスマスパーティのふりをして呼び出し企画書を通した

もともとはOVAとして誕生しようとした。

世界初のOVAは1983年ダロス、監督は押井守だった。
OVAのデメリットとして1本1万円でハズレをひくと次を買ってくれない。
作家性が強すぎたらよくわからないわからない作品

OVAのいろいろなデメリットを考えてOVA6本でるとして1本目で4800円で販売した。

とはいえ、予算の関係でパトレイバーはあまり動きのないアニメになったためにゆうきまさみが漫画で動きを多くしてパトレイバーは動きがある作品というイメージを作ることを意識したとのこと。


リアルな世界観がアニメ人気を作った。

パトレイバーのコメディとしてデザインしたけど受け入れられた。

装備する武器のリアリティを重視、薬莢が落ちたら使えないからリボルバーなら薬莢が飛ばない。
警察が37mmの銃弾を持たせる。

パトレイバーは8.02mとほかのロボットアニメからしたら半分以下の大きさでかなり小さいがリアルがあることそれでも大きいので電信柱の線に当たるのをよけながら行動することができるサイズ、東京で活動するギリギリの大きさになっている。

常に10年先を考えていたので1988年当時まだなかった東京都庁は描けたが、携帯電話がここまで普及するとは思わなかったのでパトレイバーには携帯電話は出てこなかった。

カズレイザーの言葉
「リアルと遊びが共存できる大きさとか要素で設定がつくられている」

・シリーズ累計200万
・メディアミックス展開

漫画版はOVAが出るので宣伝として1年間程度連載させてもらえないかと始まって1988年から1994年まで続いた。

キャラの性格は早い者勝ちで漫画版、初期OVA・映画、アニメとパラレルで展開してキャラキターの性格や肉付けを好きにやって、場合によっては1発キャラが準レギュラーになったりもした。
 

ゆうきまさみ
「最初に伊藤さん・出渕さんと考えたキャラはなるべく大事にしようとした」


劇場版の誕生
OVAやアニメではロボットが動かなかったから今度は動くストーリーにしようとした。

大映の大殺陣 雄呂血(1966)の作品で次々に敵を斬り倒す作品を意識してレイバー100人斬りをしようと考えた。
OVAで大成功をしたパトレイバーを2人のプロデューサー(バンダイとジェンコの真木さん)の意見が割れて、テレビをやってからと映画と次は映画をやりたいという真木さんの状態になり、映画とアニメの両方をやることになった。

他の人たちはOVAのあとに映画でこのパトレイバーは終わるものだと思っていたところにバンダイのプロデューサーがこの秋からアニメを始めると知らされることになる。

OVAとの監督と同じく映画の監督も押井守をすることになり、押井さんが暴走しないように3つの誓いを立てた。

・娯楽の王道(明確なストーリー)
・レイバーの敵はレイバー
・野明、遊馬が活躍(若いキャラクターが活躍する)

それでも押井さんは帆場(劇場版1の事件の首謀者)が実はいなかったとしていいかなと言い出したがとても押井さんらしい設定なのだが王道ではないので却下したとのこと。

映画は方舟の前でストーリーは終わっている。
押井守の言で「アクションが始まったらストーリーは終わっている」

この誓は2作目で完全に破られて押井守の作家性が思いっきり出ていた作品でほかの人たちもさすがにしんどいのでそろそろ終わらせたいとも思っていたので押井さんに好きにしてもらって終わらせようとした。

伊藤さんは映画としてはよくできているけどパトレイバーかどうかは疑問、で押井さんの戦争論ではないか。劇中でも後藤の川下りのモノローグのシーンは押井さんが言葉を入れるから開けといてと言われてモノローグの語りは押井さんが入れた言葉だった。


「平和 俺たちが守るべき平和だが この国のこの街の平和とは一体何だ?」