NHK 新日本風土記『隅田川』の感想と内容(2017年4月7日)
隅田川の川辺に生きる人たちを見ていく旅回。
NHKが全国の風習や地域文化を取り上げる『新日本風土記』は、
昔の『日本風土記』があったから“新”が付いているのだが、
同じ場所でも数十年前の光景とガラッと違う。
その差を確かめるだけでも面白い番組だ。
この回で驚いたのは、撮影スタッフの質問や相づち、やじ(?)がかなり入っていること。
でも、それが逆にいい。
撮られている人にかける声が「近所の人に話しかける」くらい気軽で、
撮る側/撮られる側の壁がほとんどない。
やらせというより、自然な交流として記録している感じがした。
新日本風土記『隅田川』の内容メモ
荒川遊園
区営の遊園地。
日本一遅いジェットコースターや釣り堀がある。
足立市場
魚介だけでなく青果店もあり、江戸千住葱なども扱っている。
千住葱は、ねぎま鍋などにも使われる。
人力車「花鳥風月」沼沢明俊さん
依頼が入ると案内のためにロケハンを重ね、
人力車で街を見せる演出で案内していく。
江島杉山神社
視覚障害の人のために、あんま・鍼灸師などの学校を作った人物に関わる神社。
昭和32年の“伝説のレース”
隅田川が日本ボートレース発祥の地である、という流れから出てくる話。
嵐の中での早稲田と慶應の戦いで、
慶應のボートは8人で漕いで沈み、早稲田は6人で漕ぎ、2人で水をかき出しながら進み、
追い抜いた瞬間に慶應のボートが沈んだ――という伝説。
教科書にも載ったらしい。
浅草の幇間
浅草には幇間が6名しかいないという話が出てくる。
女性で初めての幇間・櫻川七太郎。
俳句、お茶、三味線、踊り、カッポレなど、必修が多い。
そういえば西日本にも、岐阜に幇間が1名だけいる。
車夫・桜井さんの仕事
独立してやっている車夫の仕事について。
船大工の家族
8代目、9代目の船大工が作った和舟は、
江東区の親水公園で無料で乗ることができる。
まとめ:隅田川は“暮らしの層”が見える川
観光っぽい名所紹介に寄りすぎず、
市場、遊園地、仕事、芸、信仰、家業といった「川辺の生活」を拾っていく回だった。
そして何より、スタッフの声が入る距離感が面白い。
作り物っぽくない会話の温度が、そのまま風土として残っていた。

